フランス人をイラっとさせる外国人の一言トップ10

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エイメ
エイメ
在仏20年。南西フランスは、ボルドーから100㎞ほど内陸に入った、美食の里「ペリゴール地方」にて、夫&子供2人と暮らしています。現地で驚くあんなことこんなこと。フランスの「今」をお伝えすべく、情報を発信させていただきます。よろしくお願いします。

フランス人が思わずイラッとする、外国人の発言とは

われわれ外国人が放つ言葉の中で、フランス人が最も不快感を露わにするものを上位10件ご紹介します。

会話の雰囲気を和ませるべく、ちょっとしたユーモアは重要なエッセンスです。

でも、ユーモアと思って言い放った言葉が、実は「フランス人の神経に触る」というものも多く。

また文化的に「触れて欲しくない話題」というものも存在します。

フランス人に好感を持ってもらうべく、ここで「言ってはいけない一言」、および「避けるべき話題」をチェックしておきましょう。

  1. 「浮気者」ではなく、恋多きフランス人!
  2. ハローではなく、ボンジュール!
  3. ストライキは、「怠け者」ではなくフランス文化!
  4. 職業は、収入を探ると思われるので尋ねない!
  5. エスカルゴを、食べる食文化を尊重する!

この記事は3分で読み終わりますので、最後まで読んでいってくださいね。

第10位:フランス人男性は、みな浮気者

恋人たち

フランス人は、セックスに対して非常にオープンです。

そんなところから、「フランス人=情事が多い」と、外国人からはとらえられがち。

現に多くの映画やアニメで、そういったキャラクターのフランス人男性が登場します。

でも現実として、浮気するフランス人男性の数は他国とさほど変わらず

よってステレオタイプ的な「浮気者」に言及すると、フランス人男性にうんざりされます。

歴代大統領も恋話にオープン&恋多きフランス人

カップル

でもフランス人が恋話にオープンで、恋多き国民であることは間違いなく。

恋話にオープンであると言えば、エマニュエル・マクロン現大統領

高校時代の演劇教師と結婚した大統領は、恋をテーマにした対談番組にも登場。

また恋多きフランス人と言えば、フランソワ・オランド前大統領二コラ・サルコジ元大統領

オランド前大統領は、在任中に現在の妻である女優、ジュリー・ガイエ氏と不倫密会

サルコジ元大統領は、在任中に女優、カーラ・ブルー二氏と再婚しました。

第9位:ハロー!

helloと書かれたカード

人に話しかけるとき、いきなり「ハロー(Hello)」は禁物です。

フランス人はみな、不快感を示します。

フランス語をうまく話せなくとも、会話の切り出しは「ボンジュール(Bonjour)」

道を尋ねるときも、店に入るときも、「ボンジュール」という基本の挨拶が礼儀です。

「ボンジュール」で引きつける!

ボンジュールと書かれた扉

逆に、「ボンジュール」と話しかければ、間違いなくフランス人の関心を引き寄せることができます。

フランス語がうまく話せなくとも、まずは「ボンジュール」で相手を引きつけます。

そして「フランス語がうまく話せないのですが」と断って英語で話すと、多くの場合、協力してもらうことができます。

第8位:誰に投票した?

フランス人は、政治や政策について議論するのが大好きです。

それにもかかわらず、選挙で「誰に投票したか」という部分については極秘

家族の間でも、秘密にされることが多いと言われます。

政党が多いので、特別な意思表示はせず!

フランス パリ

というのも、フランスには政党が多く

同じ右派、左派、中道派の中に、いくつもの政党が存在するので、説明するのは難しいところ。

アメリカのように、候補者の名前が書かれたTシャツを着て、自分の意思を表示するという文化はありません

第7位:宗教は何?

フランスで信仰は、非常にプライベートなこと。

初対面で、宗教を尋ねるのは禁物です。

フランスはカトリックの国であるけれど、政治と宗教の分離政策である、ライシテ(laïcité)を採択。

カトリックの祭日が、そのまま祝日であることが多いけれど、宗教的な慣習はあまりありません

フランスはヨーロッパにおける人種のるつぼ!

その一方、フランスはヨーロッパで最大のイスラム教、そしてユダヤ教のコミュニティーを持つ国。

昨年からライシテの原理により、学校におけるアラブ女性の民族衣装であるアバヤの着用が禁止になりました。

そしてフランス共和国としての統一性を求めて、制服着用の制度確立も促進されているところです。

第6位:フランス人は怠け者

「フランス人は怠け者で、ストライキばかりしている」

外国人が言うそんな常套句を、フランス人は忌み嫌います

フランスは他国と比べ、バカンスの時間と労働者の権利をものすごく重視する国。

それゆえに、この「怠け者」をというレッテルが貼られる次第です。

フランス人も残業する!

仕事をする女性

とはいえ、フランスは国内総生産が世界で7番目に高いという、生産性の高い国。

「怠け者」にできることではなく、みんな一生懸命働いているのが伺えます。

仕事に野心を抱き、残業をするフランス人も多く

ストライキはフランスの文化!

ストライキ

またストライキはフランスの文化であり、この抗議活動を通して、労働者と経営者は交渉を進行させ、合意にこぎつけます。

労働者が抗議をしなければ、経営者は「現状に満足している」と解釈するので、ストライキは労働者にとって重要な発言手段です。

実際にはフランスより、カナダの方がストライキの数は多いと言われます。

第5位:いくらした?

ユーロ

フランス人の所有する家や車、そしてカバンや洋服に対し「それ素敵ね」と褒めた後、「いくらした?」と値段を聞いてはいけません

フランス人は、お金の話に敏感です。

相手の所持品に対し「いくらした?」と尋ねる行為は「下品」、または「リッチかどうか探っている」と見なされます。

お金を話題にするなら税金!

貯金箱

お金の話で許されるのは、税金の話

税金の高さに文句をつけるのは、許されるどころか歓迎される話題です。

特に確定申告の時期、固定資産税住宅税の支払い時期になると、フランスはこの話題で持ち切り

みんなこぞって、議論を展開します。

第4位:職業は何?

パソコンを使う男性

フランスで、お金の話は禁物です。

職業を尋ねるというのは、「どれだけ稼いでいるか」を探る手段と見なされます。

富に対する態度はカトリックの影響が強く、気前よく振舞ったり、お金があることを見せびらかす行為は疎まれます

またフランス人にとって、仕事は「興味ある話題」ではありません

職業は聞かずに、想像する!

来仏当初、友人が「結婚するなら、リッチな農家の人ね」と言っていたのを思い出します。

広大な土地に、数百万円するというさまざまなトラクターを何台も所有する農家は、「裕福」ということです。

確かに資産は多いのかもしれませんが、バカンスも取らず年中働き、家はどこもいたって質素。

つつましく働き者でなければできませんが、人々はこうして職業からどれだけ裕福かを想像するようです。

第3位:それ、本当に食べるの?!

伝統の料理

エスカルゴやカエル、動物の臓物を好んで食べるフランス人。

前菜のエスカルゴを食べようとするフランス人に、「それ、本当に食べるの?!」と言って嫌悪感を示すのは、失礼というもの。

食文化を理解していない、または尊重しない「無礼者」と解釈されます。

無礼にならぬよう・・・一苦労!

お酒パーティー

とはいえ、フランス人宅に呼ばれ、エスカルゴに奮闘するイギリス人の話は絶えません。

恐る恐る口に入れると、案の定、くにゃっとした食感に違和感を覚えたものの、それを訴えるのは申し訳なく

ホストが席を立った時、ティッシュペーパーに吐き出し、ポケットに隠して持って帰ってきた、という話をよく聞きます。

第2位:アクセントがかわいい!

勉強をする2人の女の子

フランス語訛りの英語を、「かわいい!!!」と指摘する外国人が多いものの、これはフランス人にとって侮辱と受け取られる可能性が。

フランスの学校における英語教育は、読み書きが重視されるゆえ、会話がうまくできず、自身の英語スキルに劣等感を覚えるフランス人が多いと言います。

また公立学校では英語圏で会話を学んだことのない英語教師も多く、フランス語訛りの英語をそのまま生徒が覚えてしまうということも。

アクセントは敏感な問題!

本を読む女の子

これは自分自身に置き換えて考えると、わかりやすいと思います。

一般的な会話の最中、自分の話すフランス語に、「日本語訛りがある」と指摘された時、それを「日本人のアイデンティティー」と誇りに思うか、「フランス語が下手」と恥ずかしく思うか。

これを考えると、アクセントはどれだけ敏感な話題であるか、ということが分かります。

第1位:パリが好き!

「あなた、フランス人?」と尋ねてから、「はい(Oui)」の返答の後、間髪入れず「私、パリが好きなの!」と言う外国人が多くいます。

でも人口6,700万人のうち、パリに住むのはわずか200万人ほど

フランス人だからと言って、パリ出身とは限りません。

特に、フランス人は地元愛が強く、出身地の食事、文化、歴史を大切にします。

そんなフランス人に対し、「フランスといえば、パリ」というような発言をすれば、不快感を示されるのは明らかです。

出身地はフランスのどこかを尋ねる!

ラベンダー畑

これは実際に、地方住民として同じような経験があります。

日本で「フランスに住んでいるんです」と言うと、「あら、私、パリが好きなの」とよく言われ、返答に困惑。

フランスに住んでいても、600㎞離れたパリには、数えるほどしか行ったことがありません

まず初めに、「ご出身は、フランスのどこですか?」と尋ねるのが一番です。

さいごに

われわれ外国人のNG発言に、思い当たるものはありましたでしょうか?

議論好きなフランス人だから、職業、宗教、政治政党、不動産は話題に上ることが多いものの、核心を突くプライベートな部分は極秘です。

「怠け者」や「浮気者」は、フランス人の「イメージ」としてよく語られるものの、当事者にしてみれば「またか」とうんざりしている模様。

また、よく外国人から茶化される英語のアクセントも、実際は快く思っていない人が多いということが判明しました。

独特なフランス料理も、驚くのはよいけれど、けなすのは避けるべし

ユーモアのつもりで放った一言が、会話をしぼませる結果になってはいけません。

同じ話題でも相手の気持ちに配慮して、会話を盛り上げるように心がけましょう。

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