イタリアの働き方はこんなに違う!現代イタリア人女性の職場拝見ベスト5
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Question
夫の仕事の関係でイタリアへ行くことになったのですが、そこで私も働こうと思っています。
ですが、もちろん海外で働いた事が無い私には未知の世界…
そこで、イタリアのリアルな職場事情を教えてください!
ルート さん 20代 翻訳家
教えて、先生!
イタリアに住む事になると、1番に気になるのが仕事ですよね。
イタリアの働き方事情ってどんな感じだと思いますか?
陽気に会話を楽しみながら、ワインを片手に美食に舌鼓を打つ!
なんてのが定番じゃない?
イタリア人女性だって生活のために、仕事をして収入を得ているのデスヨ!
確かに、知らないとそう言ったイメージを持つかもしれませんネ!
ちなみに、イタリア女性の働く事情はこんなカンジ!
- ドレスコード自由
- ランチ補助多数
- 休暇のために働く
この記事は【5分】でササ―ッと読めマース
今回は、そんなオフィスで働くイタリア人女性のリアルな日常をご紹介します!
Contents
第5位:仕事探しは「猛アピール&盛り」で勝負
イタリアで仕事を始める際、どのように採用してもらうのでしょうか?
イタリアには、日本のような新卒の一斉採用というシステムはありません。
仕事を求める方は、次のような流れで探します。
①希望する職場や人材派遣のエ―ジェントに個人的に直接コンタクトを取る
➁履歴書を送って履歴書選考が通れば面接が行われる
流れは、日本と一緒ですね。
面接はとにかくアピール
日本人は、自分を過少に評価する傾向があります。
しかし、イタリア人女性は全くその反対。
「私はこれができます!こういう成果をあげました!」
こういった内容を面接で堂々と猛アピール。
そのアピールは凄まじく、1回だけ参加したことのあるセミナーや、ちょっとだけ参加したプロジェクトなども盛り気味にアピールするほどです。
採用する側も、そのようなアピールは当然の事と受け入れます。
そのため、「大きく出すぎちゃったかな、自信過剰と思われないかな」などと心配する必要はありません。
面接時は、思いっきりアピールしましょう。
コネ入社
日本にも、コネ入社は存在します。
しかし、イタリアは日本以上にコネが強い社会です。
そのため、かなり大きな企業でも、誰かの紹介という形での入社は珍しくありません。
イタリアでコネは、「仕事を求める人」と「人探しの手間」と「コストを下げたい企業のニーズ」がマッチするという事を意味するのです。
そのため、「今度、入社する女の子、ジョバンニが大学時代から付き合ってる彼女なんだって」といった事も日常茶飯事で起こります。
もしコネがあるのであれば、イタリアでは、それを有効活用しない手はありません。
第4位:イタリアの初出社
初出勤は、誰でも緊張するもの。
イタリア人だって緊張します。
イタリア女性の職場デビューは、どのようなものか見ていきましょう。
ドレスコードは自由
一般的にイタリアの会社には、制服というものはありません。(航空会社などは別)
ドレスコードは日本と比べてとても自由と言えるでしょう。
もちろん業界や職種によって違いはありますが、生足、デニム、短めスカート、ノースリーブなども問題なしという所がほとんどです。
私の勤める職場にも、年中デニムとスニーカーの女性もいれば、「結婚式におよばれ?」という女性もいます。
時には、女性の私もちょっと目のやり場に困るようなセクシースタイルの女性もいたりと、格好は様々です。
入社1日目
そんなイタリアでも、新しい職場での一日目は、みんな様子をうかがいます。
そのために、リクルート的な無難なコーディネートを選びます。
リクルートと言ってもスーツでなくてはならないということは無く、パンツやスカートにシャツやジャケット、カーディガンを合わせるというような「おとなしめスタイル」という意味です。
初紹介スタイル
また、新しいオフィスでの紹介も日本式と少し違います。
日本だと朝礼の場で部長や課長が「今日から入社の○○さんです」と部署のメンバーに紹介し「宜しくお願いします」とお互いが頭を下げる光景が一般的だと思います。
イタリアでは、もう少しカジュアルです。
採用担当者や直属の上司などが「今度○○部に入った△△さん、宜しくね」といった感じで事務所を回ります。
そして、紹介された人同士で握手をします。
迎え入れる側は、「チャオ、ベンヴェヌータ!(女性に対するようこそ!)」と握手を握り返して、にこやかに歓迎するのです。
第3位:コーヒーブレイクは1日最低4回
おしゃべり大好きイタリア人にとって、仕事中のコーヒーブレイクは大事。
ストレス発散だけでなく、社交の面でも大切なひと時なのです。
すぐにコーヒーブレイク
日本で休憩というと仕事をして少し疲れてきたらというイメージがあります。
しかし、イタリア人のコーヒーブレイクは、まず事務所に到着してパソコンの電源をつけたら、1回目が始まります。
「カフェ?」と誘い、気の合う仲間同士数人で事務所備え付けのコーヒーマシンに集まるのが定番。
中には会社を出て、近所のバールに出かけて行く人たちもいます。
イタリア社会の休憩時間
それではイタリア人は、どれぐらいの頻度で、どれぐらいの時間をかけて休憩するのでしょう?
平均的なイタリア人は、合計4回ほどのコーヒー休憩を取ります。
①朝の一杯に始まり次に午前11時頃
➁ランチの後
③仕事始めにもカフェ一杯
④午後4時ぐらいにもう一杯
1回の時間は、大体10分~15分ぐらいでしょうか。
ところが、これにも大変個人差があります。
コーヒーを飲んでさっと仕事に戻る所要時間1分の人もいれば、備え付けのテーブルについて楽しそうに30分以上も大笑いを続けるグループも!
日本では考えられない光景ですね(笑)
イタリア人とコーヒー休憩
少し前になりますが「カメラカフェ(コーヒーコーナー)」というシリーズのコントがテレビで話題になりました。
ルカとパオロという二人のコメディアンが架空の会社の休憩所、コーヒーマシンの前で繰り広げるコントなのですが、個性豊かな同僚やいけすかない上司が登場し共感と笑いを呼びました。
「カメラカフェ」で起きていたハチャメチャな出来事は、現実ではさすがにありません。
でも、イタリア人にとってコーヒースペースはそれだけ濃密な場所であると言うことができます。
いろいろな部署の同僚と、いい関係が築けていると仕事で必要が生じた時に助けてもらえやすい。
というのも、イタリアで仕事を続けていく上でとても大切な事です。
また、普段仕事であまり接点がない同僚とも自然に知り合い、他愛のないおしゃべりを通じて仲良くなることも出来ます。
コーヒータイムは、イタリア人にとって、仕事面でもそれ以外でも貴重な情報交換の場となっているという事ですね。
第2位:イタリア会社はランチ補助が付く!
毎日のランチ代ってバカになりませんよね。
しかし、そのランチ代がほぼ0円だったら、あなたの生活はどう変わりますか?
なんと、イタリアの法律では、ある一定規模以上の会社は従業員にランチ補助を提供することが義務付けられているのです。
クーポンも忘れずに‼
イタリアではこの法律のおかげで、ほぼ無料に近い値段で食べられる社員食堂を備えている会社も多くあります。
または、ランチチケットと呼ばれるクーポンで提供する会社も多いです。
クーポンの値段は、会社によって様々ですが、一日当たり6ユーロ~10ユーロが一般的。
このランチチケットは、大変便利な全国レベルのシステムで、会社員が昼休みにランチを食べに出かけるようなお店は大抵提携に入っています。
日本人にとっては夢のようなシステムですね。
スーパーでも使える
さらに、クーポンは、スーパーマーケットによっては、食料品の買い物に利用できるところもあるのです。
そのため、ランチチケットを会社から受け取っておいて、それは食料品の買い物に使い、普段はお弁当持参で会社に来る女性も多いのです。
もちろん、自分で作った好きなものを食べたいなどの理由もあるとは思いますが、大抵の女性にとっては節約が一番の目的でしょう。
お弁当はおおざっぱに
お弁当といっても日本のお弁当の繊細さはありません。
昨晩の残りのパスタ、洗っただけのサラダ、ハムとチーズを挟んだパンなどを、ドンと大きめのタッパーに入れて持って来るおおらかさ。
※こんな感じ
日本のような繊細なお弁当文化はありません。
ランチ時になると大きなタッパーを入れた袋をもった女性社員が集まり、休憩スペースで楽しい時間が始まります。
第1位:イタリア人は休暇が大好き
少し昔になりますが、私が日本で就職をした時こんな事を言われました。
「今まで君たち大学生だったから一年周期で生活が回っていたと思うけど、これから仕事を始めると一週間周期の繰り返しだよ」
つまり学生のようにもう長い休みは取れないので、1週間7日の単位で生活が繰り返されるという意味です。
聞いたときはショックでしたが、実際に日本で働くとまさにその通りですよね。
その後、縁あってイタリアに来たわけですが、イタリアで働くようになってからは、あることを実感しました。
一年周期で回ってる
イタリアは、一年周期で回っていたのです。
イタリアの会社員の生活は一週間周期ではなく、日本の大学生と同じく一年周期で回っていたということです。
イタリアでは、一年はどんな風にめぐるのかご紹介します。
春
まず春にはカーニバル、そしてイースター。
それぞれ学校が一週間近く休みになります。
そのため、それに合わせて休暇を取り、春スキーと海(まだ泳げません)。
そして、外国旅行などに出かける話題で盛り上がります。
特に、4月25日がイタリアのファシストからの解放記念日。
そして、5月1日がメーデーで祝日なので、そのあたりをポンテにして10日近くお休みする人もいます。
ポンテ:祝日の間の日を休んで連休にする事
夏
そして夏になれば、みんなお待ちかねの夏休み。
平均3週間の休暇を取って思い思いの場所に出かけて行きます。
3週間の休みというと日本人には相当な長さに感じられるかもしれません。
実際イタリア人にとっても日常を忘れるには十分な長さのようです。
休み明けに出社してまずは、日に焼けた笑顔で同僚とバーチョ(頬を合わせる挨拶)でお土産話を披露します。
そして、パソコンを立ち上げて、こんな事態が事務所のあちらこちらで発生します。
「あれ?・・・・・・パスワードが思い出せない!3回間違えてブロックされちゃった!」
冬
冬になると、クリスマスから1月1日まで休業となる会社が多いです。
そのため、ここでも暖かい外国へ旅行に出かけたり、スキー旅行に出かけたり、冬のお楽しみ休暇を楽しむ人が多く観光地は賑わいます。
実は日本と一緒
一体イタリア人は年間何日有給があるの?と思われる人もいるかもしれません。
契約の内容によりますが、実は日本の有給休暇日数とそれほど変わらないのです。
日本でも、20日前後の有給は一般的ではないでしょうか?
20日という事は、繋げてみれば4週間です。
夏に3週間、冬に1週間と取得するとイタリア式になることに気が付きます。
日本との違いは、休暇取得が権利として認められていて遠慮せずに堂々と申請できるというのが一番の違いです。
気持ちよく気兼ねなく休むことが出来るというのが、日本とイタリアの最大の違いだと思います。
イタリア人もやる時はやります!
休憩やランチ、休暇の話などお仕事以外の話題が続きましたが、イタリア人も当たり前ですがお仕事をしてお給料をもらっています。
イタリア人というと「遊ぶ事ばかり考えて仕事は適当なんじゃないか?」と思われてしまいそうです。
もちろん中にはそういった人もいますが、マジメに毎日仕事に取り組む人達は多いです。
今回は、私の周りで地道にでマジメに働く女性たちを紹介したいと思います。
チェリシア
まずは、経理担当のチェチリア。
商業高校を卒業してから経理一筋20年。
ウィットに富んだ会話が得意で、とても頭のキレるボーイッシュな女性。
社交的で誰とでも楽しく冗談を交わすチェチリアですが、彼女を仕事中に休憩所で見かける事は全くありません。
就業時間中、膨大な量の仕事に、言葉少なめに取り組む彼女の姿は怖いくらい。
人員削減で担当業務が増え、彼女が毎日残業をして処理を行わないと会社の経理が滞るという重要人物です。
ジーナ
次は、販促のジーナ。
新卒で入社した若干28歳の女性ですが、そのふくよかな体型と内面の成熟度から30代と思わせる貫禄。
入社してから日も浅いのに、既にその製品知識は、称賛もの。
そして、誰に対しても丁寧かつ卑屈にならない堂々とした態度で接し、みんなの信頼を集めています。
大切なプロジェクトの一員としても活躍し、将来が楽しみな若手。
シルヴィア
最後に、イタリアでも珍しい女性管理職として活躍するシルヴィア。
昔、イギリスのサッチャー首相につけられた「鉄の女」という呼び名を思い出させます。
フットワークは軽く、細かい営業数字の管理も怠らず、そして何よりも自分より年上の男性社員とのやり取りでも全く引けを取りません。
営業目標を目指し「ダメなものはダメ」とはっきりした言葉で指示を出します。
時に融通が利かない彼女を苦手にしている男性営業社員も少なからずいます。
しかし、社内はもちろん社外のお客さんからも一目置かれる存在です。
イタリアで働く女性
もちろん個人差、そして地域差、職場が持つカルチャーという違いはあります。
しかし、彼女たちも、プロ意識をもって積極的に仕事に取組む姿勢、自分の「女性」の部分に甘えない姿勢。
そして、自分自身の成長を求めて新しい事にも果敢に挑戦していく姿勢を持っています。
イタリアのワーキングウーマン
ちなみに、よく友人にこんな事を言われます。
「イタリア人は、仕事がテキトーなんでしょ?」
しかし、そんなことは無いことがお分かりいただけたでしょうか。
イタリアの職場でも、日本の働く女性にも引けを取らないワーキングウーマンにたくさん出会うことができます。
さいごに
日本で働く女性にもご共感を頂ける面もあれば、全く違う面もあったかと思います。
イタリアに来られる際、日本人がよく不満を漏らすことがあります。
それは、イタリアのサービスレベルの低さです。
たしかにこれは、とても残念な事です。
しかし、忘れないで下さい。
適当にやっつけ仕事をするイタリア人がいる一方で、自分の仕事に誇りをもって毎日真面目に働いている人も多いのです。
そんな気概のあるイタリア人との出会いがあるように願っております。