イタリアのレンタカー事情と交通規制について
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「イタリアチーム」の木村(きむら)がイタリアよりお届けします。
「イタリアのどこの町がオススメ?」
友人に何度も聞かれた言葉です。でも、私は1度も困ったことがありません。
むしろ、逆に紹介したい場所が多すぎて限られた旅行日程に全てを収めるのはムリと言ったことは数しれず。
イタリアに住む者として、嬉しいような悲しいような悩みです。
そして、紹介する度ぶつかるのが「車だったら簡単に行けるんですけど」という移動手段の壁です。
日本から自由旅行で来られる方の数は多くなりましたが、皆さん大抵は国内を電車や飛行機など、公共交通機関で移動されるからです。
もちろん慣れないし言葉もできない国で左ハンドルの車を右側通行で運転する、というのは非常にハードルが高いです。
そして、縁起でもないですが事故を起こしてしまう、または巻き込まれてしまう、という可能性も大いにあります。
そういうわけで旅行で来られる方がリスクを避けて公共交通機関を利用するのは正解だと思います。
しかし、公共交通機関では行きにくい場所、いけない場所はあります。
イタリアを何度も訪れているベテランさんであれば、「あの町に行ってみたいな」と思っている方は多いはず。
今回はそんな方のお役に立てるような「イタリアのドライブ事情」をご紹介したいと思います。
AT車とMT車
忠告します。
旅のためにレンタカーを借りようかと思っている方、そしてAT車をご希望の方は、かなり前もっての予約をお勧めします。
前もって予約をしても、小さいレンタカ-営業所ではAT車の用意がない可能性も大いにあります。
そうなのです!
イタリアで借りることのできるレンタカ-はほとんどマニュアル車ばかり。
イタリアでも少しずつAT車の割合が増えつつはありますが、私の体感としてはまだ1割程度。
私の勤め先では、仕事道具として社有車が与えられていますが、これにはほとんど皆AT車を選択しています。
長距離を運転する彼らはAT車のメリットを十分理解していますので、ほぼみんな迷いなくAT車を選びます。
AT車が普及しなさすぎ
ただし、これが自腹で車を購入する場合は話が変わります。
「AT車、確かに便利は便利だけどオプション金額払ってまで欲しい物ではないな」
「同じ金額で違うオプションをつけようかな」
と考える人が大多数なんです。
これに加えてAT車があまりにも一般的に普及していないために、AT車の運転経験が全く無い人も多く…
「自分はマニュアル車しか運転できない」と思い込んでいる人も多いです。
日本では、男性は免許はマニュアル車で取ったけど自家用車はAT車、女性ではAT車のみという方が多いと思います。
そのため、イタリアでレンタカーを借りる際は、マニュアル車を運転することになるという前提で気合を入れてお越しください。
高速道路を走る
イタリアの高速道路網は大変よく発達しており、高速を使えば大抵の場所にアクセスできます。
私が住むミラノから夏は海へ(リグーリア州等)、冬はスキー(アオスタ州等)へ…
どちらも高速道路を利用して、目的地まで到着できるのは大変便利です。
夜間には注意!!
道路のメンテナンスもよくされていますが、日本から来られた方に一つご注意頂きたい点があります。
夜間はかなり暗いです。
日本の高速道路は、夜間もライトに照らされ、昼間並みの明るさがありますが、それに比べてイタリアの高速道路はかなり暗く先が見えずらいです。
高速道路だけでなく、一般道路も外灯の数がかなり少ないので注意が必要です。
特に高速で走行中に暗さを感じることが多いです。
注意していないと数百メートル先のカーブがよく見えなかったりと危険が満載です。
イタリアで夜間に高速道路や田舎町を運転するのであれば、まめにハイビームを利用して安全を確認しながらゆっくり運転をオススメします。
ちなみに、高速道路の料金は日本と比べてだいぶ安いです。
子供が数人いるような家族が南北イタリアを1000キロ以上も縦断し、何時間もかけてバカンスに出かけていくのは、高速料金の安さあってこそでしょう。
駐車する
初めての場所に車で向かう際、いつも気になるのは「車停められるかな」という点です。
日本からのお客さんが、一斉に驚くのは路上駐車の実態です。
日本は基本的に路上駐車は禁止な場所がほとんどですが、車庫証明もないイタリアでは、路上駐車はごくごく普通のこと。
ただし車の走行を妨げないように、というル-ルはあります。
通りによっては「水曜日の午前0時から6時までは清掃車の妨げになるので駐車禁止」という時間限定の駐車禁止もありますが、日本の常識から考えると不思議です。
道路脇や駐車場には線が引いてありますが、この線の色にご注意ください。
線の色には注意して!
白線は無料駐車スペ-ス(時間制限が設けられている場合もあります)
青線は有料駐車スぺ-ス
黄色い線は許可を持ったその地区の住民専用の駐車スペ-ス
青線のところに停めながらも駐車券をダッシュボ-ドに提示していなかったり、黄色い線のところに停めていたりすると駐車違反の対象になります。
罰金切符を切られては楽しい旅行も台無し!
なので、出来れば駐車場、もしくは定められた駐車スぺ-スに停めるのが無難だと思います。
乗り入れ禁止
素晴らしい建物や街並みがあるイタリアらしいなあと感じるのが、ローマやミラノの大都市は街の中心部が交通規制区域となっています。
例えば、ミラノでは一回5ユーロの券を売店などで購入することにより、街中への車乗り入れは可能になります。
電話やテキストメッセージの送信し利用する車のナンバープレートを登録する必要がります。
しかし、短い期間で旅行に訪れるには少々めどくさいシステムですし、街中は公共の交通機関が発達しているので車移動のメリットはそれほど大きくありません。
街並みを大事にしているからこそ
小さな町を訪れる場合は、車移動はとても便利です。
しかし、この場合も町の中心広場まで車で乗り付ける、という事はまずありえません。
町の外(城壁の外である事が多いです)には観光客用に備えられた駐車場があり、そこからは徒歩で移動しなければなりません。
なんだか、街並みを大事にしているイタリアっぽくて面白いですね。
さいごに
主要な観光地、例えばミラノ、ロ-マ、ヴェネツィア、フィレンツェといった大きな街には大抵電車や飛行機でアクセスできます。
しかし、車でしかたどり着けないような中小規模の美しい町が点在するのもイタリアです。
今度は車での旅に挑戦してみたい!というイタリア上級者の方はぜひチャレンジしてみてください。
その際は、この記事が少しでも参考になれば嬉しく思います。
くれぐれも事故に合わないように、巻き込まれないように、安全運転で行ってらっしゃいませ!