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フランスの学校事情ベスト10!学費や給食など日本との違いは?

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エイメ
エイメ
在仏20年。南西フランスは、ボルドーから100㎞ほど内陸に入った、美食の里「ペリゴール地方」にて、夫&子供2人と暮らしています。現地で驚くあんなことこんなこと。フランスの「今」をお伝えすべく、情報を発信させていただきます。よろしくお願いします。

学費や給食など、日本と違うフランスの学校事情とは

学費から給食、部活や休暇まで、日本とは異なるフランス特有の学校事情ベスト10をご紹介します。

フランスの義務教育は3歳から16歳まで13年間で、6歳から15歳まで9年間の日本とは、大きく異なるところ。

3歳から1日学校に通うので、保護者が仕事に復帰しやすいのが特徴です。

また公立学校は無償であり、政治と宗教を分離する「ライシテ(laïcité)」の理念により、宗教性は一切排除されています。

それでは小、中、高等学校の基本的な制度から、気になる給食、宿題、部活動まで、フランスの学校事情を探ってみましょう。

  1. 私立学校の学費は安い!
  2. 学校に部活動はない!
  3. 弁当より、栄養価の高い給食を推進!
  4. 義務教育は、3歳から16歳まで!
  5. 授業時間は、午前8時半から午後5時まで!

この記事は3分で読めるので、最後まで読んでいってくださいね。

第10位:私立学校の学費

フランスの私立校の97%はカトリック学校であり、政府より73%の資金提供を受けて運営されています。

よって、保護者の支払うのは宗教行事など、政府資金でカバーされない部分だけであり、学費は日本の私立校よりもかなり安くなります

公立校と比べると規律が厳しく、非協力的な生徒は退学させられることも多いのが特徴です。

また少人数制ゆえに人数制限があり、早めの登録が必要となります。

カトリックでも信者である必要はなく

カトリックとは教育理念のことであり、入学に際し信者である必要はありません

学費が安価であるため、カトリックの私立校が近所にあれば、地元の公立校に加えて選択の余地が増えるというもの。

規律正しく、少人数の私立校か、そうでない公立校か、子供の性格によって選ぶことができます。

近所にもあるカトリックの私立中学校

我が家の近所にも、カトリックの私立中学校があり、長男が通っています。

学費は年間で510ユーロ、およそ87,000円です。

おっとりしているので、学年ごとに1クラスしかない、少人数制の私立校を選択しました。

1クラスは25人編成で、「アットホームで楽しい」と元気に通っています。

第9位:部活動

フランスの学校には「部活動」というような、放課後に行われる団体的教育活動はあまりありません

吹奏楽、体操、サッカー、テニスなどを仲間と一緒にやりたいのであれば、地元のクラブに加入するのが一般的です。

学校の帰宅後にクラブ活動!

授業が終わると、ギャルデリ(garderie)と呼ばれる学校の保母さんが面倒を見る託児所で親の帰りを待つ人以外は、みんな保護者と一緒に帰宅します。

そしてその後、一休みしてから各々自分の参加するクラブの練習に向かうということに。

多くのクラブ活動が、学校のない水曜日や土曜日に集中しており、日本の部活動のように、毎日練習することはありません。

第8位:寄宿学校

フランスの学校は遠方から通う生徒のために、多くが「アンテルナ(internat)」と呼ばれる寄宿舎を備えた寄宿学校です。

寄宿費用はさほど高くなく、家庭の収入を考慮して、支払費用が算出されるところもあります。

基本的に週末は帰宅するという、1週間単位の寄宿生活が主流です。

寄宿舎は、遠方在住者のためだけでなく!

歩道を横一列で歩く男女

子供の通う私立中学校にも、寄宿舎があります。

寄宿生活する生徒は遠方在住とは限らず、保護者の都合や教育方針で選択する人も多いのが現状です。

高校になると、スクールバスの所要時間と、宿題の量、また友人と過ごす時間などを考慮して、寄宿生活を選ぶ人が増えます。

第7位:宿題

フランスでは小学校1年生から宿題帳が渡され、家に帰って予習、または復習を行う、「宿題(ドゥヴォワール:devoirs)」というものが認識させられます。

中学校になるとその量は極端に増えますが、必ずしも家でやる必要はなく

学校の授業の中で、「宿題の時間(ドゥヴォワール・フェ:Devoirs faits)」なるものがあり、教師の監視下で終わっていない宿題を完了することができます。

宿題で計画性を養う!

長男の通う中学校でも、各教科ごとに一定の宿題が出ます。

それは授業の予習であったり、計算の練習や復習の暗記であったり、はたまた読書であることも。

これらを帰宅後の時間、スクールバスに乗っている時間、学校の宿題の時間のどの時間にやるか、という振り分けが重要であり、ここで計画性が養われるというわけです。

第6位:給食

ハムとチーズ

小学校の給食は日本のようにすべての皿が机に並べられるのでなく、前菜、メイン、デザートの順番に給仕されます。

中学校では、カウンターに並べられた前菜、メイン、デザートの皿を、順番に自分でトレーに取って食べます。

総じて「美味しい」といわれるフランスの献立も、週に1度ベジタリアンの日が設定。

弁当の持参は、多くの学校が栄養価の低さを懸念して禁止されています。

というのも、日本のような栄養満点の弁当は存在せず、ハムサンドにポテトチップスといった、シンプルなものを持たせる保護者が多いためです。

献立表は掲示板に掲載!

献立表は通常、学校の校門横にある掲示板に、数週間分まとめて掲載されます。

多くの保護者が朝、子供たちを送りに来た時に、ここで昼の献立をチェックして、夜の献立を決めます

重ならないように気を遣うのが、スパゲティ・ミートソースや白身魚のフライです。

でも、最近は「健康的な食生活」を心掛けているということで、できたものを揚げるだけの白身魚のフライはあまり給食に出なくなりました

弁当は持参できないけれど、家に帰って食べるのはOK!

現在、地元の公立小学校の給食費は、1食2.60ユーロ(445円)です。

低所得世帯は申請すると、1食1ユーロ(171円)で食べることもできます。

この給食費に対し不満を抱く場合、学校に弁当を持参することはできませんが、家に帰って昼食を取ることは可能です。

自営農家なども家族で昼食を食べるため、希望する生徒は昼12時に帰宅してご飯を食べ、昼休みの終わる午後1時半までに学校に戻ります。

第5位:採点評価

スクールの教室内で教科書を持って立っている女性

フランスの中学校(collège)、および高等学校(lycée)では、各教科において20点満点の試験がこまめに行われます。

平均点が取れればよいということで、10点以上は合格、10点未満は不合格と一般的に判断されるところ。

各学校ともにインターネットの連絡アプリケーションを使い随時、生徒たちの点数を保護者に報告するシステムを取っています。

学期末には、この点数が1枚のシートにまとめられて、「通知表(bulletin scolaire)」として郵送されてきます。

ノートの採点は、TBがトレビアン

一方小学校では、教師が生徒のノート学習をチェックした後、頭文字で評価を残します

TB (Très Bien/トレ・ビアン) :とても良い

B (Bien/ビアン):良い

AB (Assez Bien/アッセ・ビアン):十分

VU(ヴュ):見ました

保護者はノートに記されたこれらの表示で、自分の子供たちがどれだけ理解できているかを判断します。

小学校の通知表は4段階!

そして小学校の通知表は、各教科4段階で表示されます。

Non Atteints(ノン・アテン):未達成

Partiellement Atteints(パルシエルマン・アテン):部分的に達成

Atteints(アテン):達成

Dépassés(デパセ):超越

「部分的に達成」でもへこたれず、次の学期に「達成」へ進めるよう、頑張ればよいということです。

第4位:義務教育の期間

フランスの義務教育は3歳からで、小学校に併設される「マテルネル(maternelle)」と呼ばれる幼稚部に3年間通います。

そして、6歳からエコール・プリメール(école primaire)と呼ばれる小学校に、5年間通います。

よってフランスの小学校は、日本の5年生までということになります。

中学校は4年間!

次に、コレージュ(collège)と呼ばれる中学校に、11歳から4年間通います。

つまり日本の6年生が、フランスの中学1年生となる形です。

そして、中学校の最終学年の最後に、ブルヴェ(brevet)と呼ばれる修了試験を受けます。

義務教育は16歳まで

その後はリセ(lycée)と呼ばれる高等学校に、15歳から3年間通います。

普通高校であれば、最終学年の最後にバカロレア試験を受け、中等教育の修了証書を受け取ります。

しかし義務教育は16歳までということで、高校1年生を修了するところまでです。

よって職業業高校ならば、職業訓練を受けた後に免状を取得して、2年間で修了することもできます。

第3位:学校休暇

キャリーケースと女の子

フランスの学校には、10月に秋休み、12月にクリスマス休暇、2月に冬休み、4月に春休みがあり、これらの休暇期間はそれぞれ2週間です。

学校休暇(Vacances scolaires)ヴァカンス・スコレール

万聖節休暇(Vacances de la Toussaint)ヴァカンス・ド・ラ・トゥセン

クリスマス休暇(Vacances de Noël)ヴァカンス・ド・ノエル

冬休み(Vacances d'hiver)ヴァカンス・ディヴェール

春休み(Vacances de printemps)ヴァカンス・ド・プランタン

夏休み(Vacances d'été)ヴァカンス・デテ

最後に7月と8月の8週間に渡る夏休みがあり、1年間でなんと合計16週間も休暇があることになります。

ゾーンごとに休暇に入る!

エッフェル塔

その中でも、2月の冬休みと4月の春休みは、フランス全土が3つのゾーン(A、B、C)に分けられ、1週間ずつずらして休暇をとるのがフランスの学校休暇の特徴。

これは観光地を援助する政策で、特にスキー休暇と呼ばれる2月の冬休みは、スキーリゾートの繁忙期を2週間のみならず、4週間に拡張させることができるというのが目的です。

また、これに伴う交通渋滞も、ゾーンを3つに分けて順番に休暇を取ることにより、緩和されることが見込まれます。

第2位:授業時間

フランスの学校は午前8時半~9時に始まり、午後4時半~5時に終わります。

地元の小学校は午前9時に始まり、午後4時半に終わります。

また中学校は、午前8時半に始まり、午後5時に終わります。

1日の授業時間は最大5時間半と法律で決められているので、午前中に3時間、午後に2時間半、そして給食の時間を含むお昼休みと、休憩時間に2~3時間が費やされるという計算になります。

水曜日は半日、もしくは休み!

フランスの学校は、水曜日が午前中のみ、もしくはお休みです。

というのも、水曜日は「課外活動と休息の日」と位置付けられているからです。

よって、水曜日に多くのクラブ活動や、野外活動が計画されます。

日本と比べ1日の学校時間は長いですが、1週間における勉強と休息が、バランスよくリズミカルに取られているのが特徴です。

第1位:学年

フランスの新学年は、9月から始まります

その年に生まれた子供は全員9月に入学するので、小学校ならば1月から8月生まれの子はすでに3歳ですが、9月から12月生まれの子はまだ2歳のうちに入学することになります。

幼稚部と小学校の学年を日本と比較!

座っている4人の子供

まずは3歳から始まるマテルネル(Maternelle)と呼ばれる小学校に付属する幼稚部を、日本の幼稚園と比較してみます。

エコール・マテルネル(École Maternelle):小学校幼稚部

3歳:プティ・セクション(Petite Section:PS):年少

4歳:モワイエヌ・セクション(Moyenne Section:MS):年中

5歳:グラン・セクション(Grand Section:GS):年長

次に、6歳から始まる小学校(École Primaire)の学年です。

エコール・プリメール(École Primaire):小学校

6歳:セーペー(CP:cours préparatoire):1年生

7歳:セーウーアン(CE1:cours élémentaire première année):2年生

8歳:セーウードゥ(CE2:cours élémentaire deuxième année):3年生

9歳:セーエムアン(CM1:cours moyen première année):4年生

10歳:セーエムドゥ(CM2:cours moyen deuxième année):5年生

フランスの小学校は、5年生までです。

中学校と高等学校の学年を日本と比較!

続いて、中学校(Collège)の学年です。

フランスの中学校は4年間で、日本の小学校6年生が、中学1年生になる形です。

また、中学校と高等学校の中等教育をひとまとまりに考え、高等学校の最終学年から逆算して数えます

よって中学1年生は第6学年(スィズィエム)、中学2年生は第5学年(サンキエム)、中学3年は第4学年(カトリエム)、中学4年は第3学年(トロワズィエム)となります。

コレージュ(Collège):中学校

11歳:スィズィエム(sixième):1年生

12歳:サンキエム(cinquième):2年生

13歳:カトリエム(quatrième):3年生

14歳:トロワズィエム(troisième):4年生

最後に、高等学校(Lycée)の学年です。

中学校に続き、高校1年生は第2学年(スゴーンド)、高校2年生は第1学年(プルミエール)、高校3年は最終学年(テルミナル)と呼ばれます。

リセ(Lycée):高等学校

15歳:スゴーンド(seconde):1年生

16歳:プルミエール(première):2年生

17歳:テルミナル(terminale):3年生

高校の種類は、普通高校(lycée générale)、技術高校(lycée technologique)、職業高校(lycée professionnel)の3つです。

中学校の最後に、生徒たちはどの種類の高校に進むかを選択します。

さいごに

フランスの学校事情は、いかがでしたでしょうか。

お弁当は栄養価が低いから、栄養価の高い給食を推進するなど、日本と考え方の異なる点が多いことの気づきます。

フランスは義務教育の期間が長く、学校が終わる時間も遅いものの、水曜日の休みや、長期休暇が多いことも特徴です。

学校に部活動はなく、音楽やスポーツを楽しみたい場合は、地元のクラブに参加するというシステムも、日本とは大きく異なるところです。

フランスで戸惑ったとき、このページが参考になればうれしく思います!

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