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オムレツからバゲットまで!フランスの国民食トップ10

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エイメ
エイメ
在仏20年。南西フランスは、ボルドーから100㎞ほど内陸に入った、美食の里「ペリゴール地方」にて、夫&子供2人と暮らしています。現地で驚くあんなことこんなこと。フランスの「今」をお伝えすべく、情報を発信させていただきます。よろしくお願いします。

フランス人がよく食べる、フランスで馴染の深い「国民食」とは

テーブルに置かれたパンとジャムとナイフ

美食の国として有名なフランス。

世紀を超えて受け継がれる伝統料理がたくさんあり、それらを習得すべくフランス人シェフは、食材への塩の振り方から習うと言います。

そんなフランス料理を堪能すべく、まずはフランス人が毎日食べるポピュラーな食品、および料理である「国民食」を見ていくことにしましょう。

フランス旅行で料理や食材に興味が湧いたら、現地の料理教室などに参加してみるとよいかもしれません!

  1. ラクレットは、家族の団らんに欠かせない!
  2. サラダは、各地のオリジナルに挑戦!
  3. デザートは、コースの締めくくりに必須!
  4. チーズは、地方の特産を味わう!
  5. パンは、バゲット以外にもいろいろ揃う!

この記事は3分で読み終わりますので、最後まで読んでいってくださいね!

第10位:オムレツ

フランスでは、巨大オムレツを焼くイベントを開催する町が多くあります。

有名なのは南西フランスはベシエール(Bessières)の町で、ナポレオンの時代から毎年、15,000個以上の卵を使って焼くオムレツ大会が有名です。

なんでも地元のシェフが焼いたオムレツを気に入ったナポレオンが、兵士全員が食べられるだけの巨大オムレツを注文したのが始まりなのだそう。

この習慣が各地に広まり、現在に至るまでフランス人はオムレツ好き

地元の食材を入れてアレンジ!

ポルチーニ茸のタリアテッレ

卵だけのシンプルなオムレツもよいけれど、フランスでは地方によっていろいろな食材を加えます

高級食材であるトリュフから、肉厚のセップ茸や食感のよいジロール茸まで、キノコの有名な南西フランスでは、これらを使ったオムレツが人気です。

季節になると地元レストランでは、キノコを使ったオムレツが「本日のおすすめ(plat du jour)」に登場。

またキノコ狩りに行ったり、行った人からもらったり、採れたてのキノコを入手すれば、フランス人はみな自宅でオムレツを調理します。

キノコの他に、特産のハム(jambon)やチーズ(fromage)を入れても美味。

各自が独自の方法で楽しむのが、フランス流です。

第9位:ラクレット

ハムとチーズ

ラクレットは日本の焼肉やしゃぶしゃぶのように、調理しながら食べられる代表的なフランス料理の1つです。

用意する食材は、ラクレット用チーズと茹でてスライスしたジャガイモだけ。

使用する調理器具は、フランスでは一家に1台はあるというラクレット用ヒーターです。

まずは茹でたジャガイモをお皿に盛り、次にラクレット用ヒーターで溶かしたチーズをのせて出来上がり!

これにハムピクルスなど、お好みの食材をプラスして楽しみます。

冬には欠かせないフランスの家庭料理!

フランス人は冷たい秋風が吹き始めると、「あ~、あつあつのラクレットが食べたい」と季節到来を感じます。

冬の週末は「家族そろってラクレット」という家庭も多いほど、すべての年齢層に愛される家庭料理です。

新型コロナのパンデミックで自宅生活が強いられた時は、このラクレット用ヒーターの売上もかなり上昇したという話。

家族でヒーターを囲み、チーズが溶けてお好みの色になったら、各自ジャガイモやハムの上にのせて、あつあつトロトロをいただくというのは、至極の楽しみということです。

第8位:魚介類

魚介類

フランス人は魚介類が大好き。

元旦、革命記念日、クリスマス、大晦日・・・フランスでは、ことあるごとに海の幸の盛り合わせである「フリュイ・ド・メール(fruits de mer)」をいただきます。

大西洋岸から来る牡蠣(huître)、ツブ貝(bulot)、エビジャコ(crevette grise)がその代表格。

大皿にのったこれらの新鮮な魚介類を、みなでワイワイガヤガヤと賑やかにシェアします。

北フランスでムール貝のワイン蒸し!

ムール貝

北フランスはブルターニュ地方やノルマンディー地方で有名なのが、ムール貝の白ワイン蒸し「ムール・マリニエール(moules marinières)」です。

マリニエールとは「海の労働者」という意味で、豊富なムール貝をシンプルに調理した料理として、漁師の町々に広まりました。

レストランのメニューにも並ぶこの料理には、通常フライドポテト(frites)が添えられており、ムール貝を食べ終わった後の残り汁に浸して食べます。

さらに、この残り汁(ムール貝のだし汁)は、給仕されるバゲットを浸して食べても美味しいので、レストランを訪れた際には、ぜひお試しください!

第7位:サラダ

レタスやトマトの生野菜サラダはヘルシーで、フランスでもお酢のきいたドレッシング「ヴィネグレット(vinaigrette)」をたっぷりかけていただきます。

しかしそのサラダと一線を画すように、地域の特産物をのせた「一つの料理」として味わうサラダも、各地で発達しているのがフランスです。

例えば、魚介ではスモークサーモン、ツナ、アンチョビ、では生ハム、ベーコン、フォアグラ、チーズでは山羊チーズをたっぷりのせたものが、メイン料理としてランチにしばしば食べられます。

ニース風サラダ「サラダ・ニソワーズ(Salade Niçoise)」には、ニースの食材であるオリーブ、トマト、そしてツナ缶、アンチョビ、ゆで卵が入り、ボリュームある一品に。

南西フランスの名物サラダは鴨三昧!

私の住む南西フランスのペリゴール地方は、鴨肉の産地です。

よって、地元で愛されるペリゴール風サラダ(Salade périgourdine)には、鴨のフォアグラ、鴨の燻製ハム、鴨のコンフィ、コンフィの砂肝といったものが、緑色のサラダの上に色よく並びます。

鴨のコンフィとは、鴨肉を鴨油の中で、じっくり低温調理した保存食で、通常はこれだけでも立派な一品です。

仕上げには、もう一つの特産品であるクルミを軽く炒って散らし、ヴィネグレットにもクルミ油を使用します。

いわば前菜とメインを一皿に凝縮したような一品で、時間をかけてゆっくり楽しみたいサラダです。

第6位:デザート

フランスの「デザート」は、前菜、メインに続く一食の締めくくりであり、重要な地位を確立しています。

小学校の給食から、食事は前菜、メイン、デザートと順番に給仕されるほど。

レストランでも、昼のメニューは多くがこの3皿で構成され、最後の甘いデザートはみんなのお楽しみです。

ちなみに、デザートはフランス語で、「デセール(dessert)」と発音します。

デザートというと、砂漠(désert)と勘違いされる可能性があるので、要注意です!

デザートを食べる習慣が、フランス人を甘いもの好きに!

それでは、フランス人の好きなデザートを見てみましょう。

Moelleux au chocolat(ムワルー・オ・ショコラ):チョコレートケーキ

Mousse au chocolat(ムース・オ・ショコラ):チョコレートムース

Baba au rhum(ババ・オ・ロム):ババ

Crème brûlée(クレム・ブリュレ):クレームブリュレ

Millefeuille(ミルフイユ):ミルフィーユ

フランス人はこういったものを「デザート」として、食事の締めくくりに食べるのが習慣です。

おやつの時間に、特別食べるものではないところが、フランス独自の食習慣

町のレストランでお昼時、作業服を着た職人さんたちが最後のデザートに、チョコレートムースクレームブリュレを頬張る姿をよく目にしますが、実に微笑ましい限りです!

第5位:鴨のマグレ

鴨のマグレ(Magret de Canard)とは、鴨の胸肉のことです。

皮と肉の間にある脂身は味わい深く、甘みを感じるほど。

塊ごと網焼きにしたり、フライパンでソテーしてからスライスしていただきます。

スーパーでは通常、真空パックで売られており、手軽に購入することが可能です。

オーブンで焼いてから、オレンジソースで!

我が家では皮にナイフで格子状に切れ目を入れてから、塩とコショウを振ってオーブンで焼きます。

ソースは甘酸っぱい、オレンジソースがお勧めです。

肉が焼けたら取り出して、焼き汁をフライパンに開けてから、オレンジの果汁、ハチミツ、ビネガーを加えて煮詰めます。

この辺りでは、パプリカやハーブ、赤唐辛子などにマリネされたものも売られており、バーベキューなどに便利です。

燻製ハムもお勧め!

鴨のマグレの燻製(または乾燥)ハムは、ペリゴール風サラダに欠かせないもの。

ほかにもレタスを添えて前菜にしたり、バゲットに挟んでサンドイッチにしたり。

肉のうまみと脂の甘みが熟成され、酒のつまみにそのまま食べても美味しいです。

これも真空パックで売られているので、スーパーで見かけたら、ぜひお試しを!

第4位:スープ

多くの伝統的なスープが存在するフランス。

代表的なものに、ビスク、ブイヤベース、ポタージュなどが。

ビスクは、エビやロブスターを煮込んで裏ごしした滑らかなスープ

これに対しブイヤベースは、魚や貝を含む魚介類を煮込んでそのままいただくスープ

そしてポタージュは、野菜を煮込んでトロっとさせたクリーミーなスープです。

南西フランスは、ニンニクのスープが伝統!

私の住む南西フランスで食べられるスープは、トゥーラン(tourin)です。

仕上げに溶き卵を落としていただく、ニンニクのスープ

使う油は、もちろん鴨脂です。

私が最初に食べたのは、レストランの前菜でした。

大きなスープボールに入って、同席者と分け合って食べるという形。

一緒に給仕されるバゲットを浸して食べると美味。

2杯も食べて、前菜だけでお腹がいっぱいになってしまいました!

第3位:チーズ

チーズの生産国として有名なフランスには、350種類を超えるチーズが存在するという話。

チーズには大きく分けてハード、ソフト、ブルーに分類されます。

ハードというのは、圧力をかけて水を切って熟成させたチーズで、コンテ(Comté)、カンタル(Cantal)、ミモレット(Mimolette)などがあります。

これに対しソフトは中が柔らかいチーズで、カマンベール(Camembert)、ブリー(Brie)、マンステール(Munster)、サン・ネクテール(Saint-Nectaire)などに代表されます。

そしてブルーは、良質な青かびが独特な味わいを添えるチーズで、有名なものにロックフォール(Roquefort)があります。

チーズ生産工場の直売所を利用!

チーズの購入には、マルシェや町のチーズ専門店、そしてスーパーマーケットを利用しましょう。

また生産工場の直売所というのもお勧め。

地元の特産チーズが揃う上に、形が悪くてはねられたB級品が安く売られていることも。

出来立てのチーズを、町のパン屋の焼き立てバゲットに挟んで作ったバゲットサンドは、ランチに最適です!

地方の特産品を味わう!

クルミが有名な南西フランスでは、クルミのリキュールを使ったオリジナルのチーズが有名。

地方旅行に出かけたら、そこの土地で作られるオリジナルのチーズを味わってみてください。

山羊チーズが有名なロカマドゥールのレストランには、山羊チーズをのせたサラダがメニューに並びます。

旅行中、チーズをお店で購入するのに抵抗がある場合は、特産チーズを網羅したメニューのあるレンストランで味わってしまうのも一案です。

第2位:菓子パン(ヴィエノワズリー)

フランスの「菓子パン」と呼ばれるヴィエノワズリ―(Viennoiserieは、その名の通りウィーン(Vienne)からフランスに伝えられた食品です。

代表的なものに、クロワッサン、パン・オ・ショコラ、パン・オ・レザンなどが挙げられます。

フランス人は、このバターを練り込んでサクサクに焼き上げたヴィエノワズリ―を朝食に食べます。

スーパーには工場生産されたヴィエノワズリ―も並びますが、やっぱり食べたいのはパン屋さんの焼き立てです。

パン屋さんが力を入れる、創作ヴィエノワズリ―!

このヴィエノワズリ―の中でも、チョコレート好きを魅了するのが、パン・オ・ショコラ

南西フランスでは、「ショコラティーヌ」の名前で親しまれています。

我が家の近所のパン屋では、このショコラティーヌに並び、「フランボワジーヌ」というヴィエノワズリ―も登場。

パン・オ・レザンのような渦巻き型の生地には、フランボワーズ(キイチゴ)のソースがたっぷり入っています。

また2トーンのクロワッサン、「ビコロール(bicolore)」は、通常のクロワッサンにたっぷりのイチゴを混ぜたカスタードクリーム入り。

定番のヴィエノワズリ―に、日替わりでこれらの変わり種が販売されます。

パリでは、クロワッサン×クッキー=クルッキー!

パリでは、クロワッサンにクッキー生地を挟んで焼き上げたクルッキー(Crookie)が大人気ということ。

このように、それぞれのパン屋さんが力を入れる、「創作ヴィエノワズリ―」は必見です。

フランスに来たら、朝食は近くのパン屋さんでおいしそうなヴィエノワズリ―を調達しましょう。

第1位:パン

フランスの国民食と言えば、バゲットに代表されるパンです。

外出制限が強いられた新型コロナのパンデミック時には、バゲットを買いにお客さんが1mずつ感覚を開けて、パン屋さんに並ぶ姿がメディアで取り上げられたほど、フランス人には欠かせない存在です。

フランスのパン屋さんに行くと、お馴染みの細長いバゲットから、丸形および楕円型の田舎パン「パン・ド・カンパーニュ」、シリアルを練り込んで焼き上げた雑穀パン「パン・オ―・セレアル」まで、たくさんの種類のパンが並びます。

好みのパンを見つける!

パン

種類によって味も食感も異なるパンだから、自分の好みを見つけるのが楽しみに。

それでは、代表的なパンを見てみましょう。

Baguettes(バゲット):バゲット

Pain aux céréales(パン・オー・セレアル):雑穀パン

Pain de Campagne(パン・ド・カンパーニュ):田舎パン

Pain Complet(パン・コンプレ):全粒粉パン

Pain de Seigle(パン・ド・ゼーグル):ライ麦パン

ちょっと酸味の効いた田舎パンは、スープと一緒に食べると美味。

シリアルの入った雑穀パンはハムやチーズを挟んでサンドイッチにすると、ボリュームのあるランチになります。

素材のおいしさが味わえる全粒粉パンライ麦パンは、バターを塗ってシンプルにいただくものお勧めです。

さいごに

クロワッサンとコーヒー

フランス人のよく食べる食品、および料理のトップ10はいかがでしたでしょうか。

パン、チーズ、スープ、デザート、サラダ、オムレツといったフランスの国民食

一口に「国民食」と言っても、フランスの各地域でオリジナル・バージョンを展開するのが特徴です。

フランスの地形はダイナミック

住民はそれぞれ、異なる土や気候から生まれる各地の特産物を、食材として最大限に活用します。

首都パリではもちろん、地方旅行にお出かけの際は、これらの食品や料理をたっぷりお楽しみください!

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