イギリスの最新ヴィーガン事情ベスト10!ヴィーガン増加の理由とは?
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- イギリス在住の各専門分野に精通した日本人女性ライターが、イギリスの今をお伝えします。
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はじめに
ヴィーガン発祥の地であり、ヴィーガン先進国と言われるイギリス。
さまざまな機関による調査がなされていて正確な数字を提示することは難しいのですが、ヴィーガン協会によればイギリスには100万人以上の人がヴィーガンを選択しているという結果が出ています。
この記事では、この要因となったトレンドやイギリスならではの文化に触れつつ、2024年の最新ヴィーガン事情を、ベスト10形式でご紹介します!
- 健康への関心が後押しに
- 環境問題や動物福祉への関心
- 厳格なライフスタイルのイメージが払拭された
この記事は5分で読めますので、どうぞ最後までお付き合い下さい^^
第10位:セレブリティやメディアの影響
イギリス人のなかには「ヴィーガンインフルエンサー」なる方々がいて、若い世代を中心にヴィーガニズムを広めています。
Gaz Oakleyもそのひとり。
163万人のフォロワーを持つYouTuberでヴィーガンレシピを紹介してくれています。
クオリティの高い映像、おしゃれなセット、親しみやすい語り口で、ただ見ているだけでも楽しいガズのビデオ。
そしてなんと言ってもおいしそうな料理が魅力なんです。
ヴィーガンであることをせつせつと説くのではなく、「おいしくて簡単で誰にでも作れるよ、あ、ところでヴィーガンなんだ」と言ったスタンスが、人気の理由ではないでしょうか。
こういったインフルエンサー達が、ストイックなイメージだったヴィーガンを素敵なライフスタイルとして見せてくれて、若者に受け入れられているのでしょうね。
きっかけはお肌がきれいになったこと!
長年ヴィーガンで有名なウディ・ハレルソン。吹き出物に悩む20代の頃、たまたま出会った女性に
「乳製品をやめてみたら?」
とアドバイスされ、試してみたらお肌がツルピカになったそうです。
ウディと映画で共演して、彼の影響でヴィーガンになったハリウッドスターも少なくないとか。
彼もまた、インフルエンサーだったのですね。
第9位:外食のハードルが低くなった
私の経験では、イギリスではどのレストランのメニューにも、必ずと言っていいほど、Vの文字が表示された料理があります。
ヴェジタリアンにもOKという意味のVです。
近年ではそれに加えてヴィーガンにもOKの意味のVEやVGの表示のある料理も増えました。
ヴェジタリアンだけでなく、ヴィーガンも市民権を得てきたなと感じられます。
実際、多くのヴェジタリアン・ヴィーガンレストランがオープンし、KFCやバーガーキングなどのファストフード店でもヴィーガンバーガーがオーダーできます。
ラーメンだって食べれちゃいます
日本食に関して言えば、一見ヴィーガンでも食べれそうな料理でも出汁が魚由来のことが多くそこが要注意点でした。
ですが、例えば福岡発のラーメン店金田家さんのロンドン各支店では、Vの表示のあるラーメンについては、お願いすると卵不使用の麺に変えてくれるので、ヴィーガンでも食べることができます。
日本食はイギリスでも大人気ですから、誰でも楽しめるラーメンがあるのはとても嬉しいですね!
第8位:受け皿が整っている
イギリス人は日本人に近い部分も多々ありますが、基本的に個人主義です。
そもそも多様性を社会が柔軟に受け入れてくれる、その素地がイギリスにはあると筆者は考えます。
色々問題はあるものの、イギリスは多民族国家で、同性婚も北アイルランド以外では異性間結婚と変わりなくすることができる国です。
つまりもともと、受け皿が広いと言えないでしょうか?
そんな国だから、誰かが選んだ生き方を正当な理由なく突っぱねる人はあまりいません。
少なくとも、私の周りにはいません。
どうしてそうなのかきちんと理由を説明できる限り、一般的にイギリス人は受け入れてくれます。(と思いたい?)
第7位:代替食品が豊富
多くの人は、肉や魚を止めると決めると、まず『もどき』食品を利用するようです。
そしてイギリスには、この代替食品がとても豊富なんです。
ごく普通のスーパーマーケットでも大豆他の植物由来のハンバーガー用パテ、挽き肉、ベーコン、ソーセージもどきなどを買うことができます。
日本でもお馴染みの豆乳などの植物性ミルクも種類が豊富です。
もちろんそれだけではありません。
ヴィーガンチーズ、ヴィーガン生クリーム、牛乳なしのミルクチョコレート、バター抜きのパイ生地、クロワッサン、デザートなど、様々なニーズに対応しています。
バブルがはじけた?
その一方、昨年2023年あたりから、代替肉市場の成長にかげりが見え始めました。
NIQの調査では、2023年1月の代替肉の売り上げが前年同月よりも、冷蔵食品で16.8%、冷凍食品で13.5%減少したことがわかってます。
代替食品市場のバブルもついにはじけたのでしょうか?
今年3月の記事で英ガーディアン紙は、その原因はコストによるものだと言っています。
代替品頼りの経験の浅いヴィーガン達にとっては、近年の物価上昇は痛手。
また、加工食品に含まれる添加物に疑問を持つ人が増えたことも原因の一つという見方もあります。
第6位:お財布に優しい食事
とはいえ、やはり野菜や豆類は、お肉や魚に比べると断然安いです!
ヴェジタリアンやヴィーガンの友人知人は多いですが、そのうちの一人が、「お肉って高いから買わないの。」と言ったことがあります。
ヴェジタリアンである理由が、節約のためだなんて、自分にはない考え方でした。
でもそれは実に画期的に思えました。
ここ数年の物価高騰を思えばなおさらです。
若い世代が菜食中心の生活をする理由が節約のためだったとしても、不思議ではない気がします。
数字は嘘をつかない
2021年のオックスフォード大学の調査によれば、完全菜食の食事は食費を3分の1近く減らすことができるとのこと。
代替食品は安くないと感じることはありますが、生鮮野菜や果物、豆類などの素材ならコストをおさえることができます。
第5位:健康志向が後押し
お肉や魚だけでなく、乳製品や卵まで一切食べないのは、栄養不足になるのでは?と思う人は少なくないかもしれません。
近年は、動物タンパクを毎日きちんと摂りなさいという内容の本を日本のKindleでよく見かけます。
日本に一時帰国した際に受けた人間ドックでは、栄養士さんに動物タンパクをきちんと摂るように指導されました。
ですが同時に、バランスの取れた野菜中心の食生活が健康に良いことを疑う人は、あまりいませんよね?
英国栄養財団(The BNF)のウェブサイトには、「ヴィーガンの食事でも十分必要な栄養素を摂ることができる」と記載されています。
健康による理由から動物性食品をやめる人は、イギリスのみならず欧米では増えているようです。
『ザ・ゲームチェンジャー』
僕らはお肉を始めとするいっさいの動物性食品を摂らなくても、こんなに結果を出しているよ、とヴィーガンアスリート達が鍛え上げられた美しい筋肉を披露してくれてます。
アーノルド・シュワルツェネッガーも出演。ボディビルダー時代の秘話が聞けます。
第4位:動物福祉への関心の高さ
ヴィーガンという名称を考案し、ヴィーガン協会を立ち上げたイギリス人ドナルド・ワトソンは、酪農業の実態を知った18歳の年にそれまでの菜食主義から完全菜食主義者になりました。
もともとヴィーガニズム(ヴィーガン主義)というのは、この動物福祉の観点からスタートしたもの。
完全菜食というのはヴィーガニズムの一部にしか過ぎません。
ウールや皮革製品、絹などを使ったものを身につけず、動物を使ったサーカス、動物園などに反対することも含みます。
イギリス人は一般的に動物愛護精神が強いと感じます。
そんな国民性だから、人間は動物を搾取せず生きるべきという考え方に賛同する人々が多くいるのもわかる気がします。
愛犬と一緒に映画鑑賞?
余談ですが、ロンドンを中心にいくつかの地方都市や町に展開しているCurzonというインディー映画館は、最近『ドッグデイアフタヌーン』という愛犬と一緒に屋内で映画が見れるサービスを始めました。
さすがイギリス!とびっくりです。
第3位:ヴィガニュアリーの浸透
Veganuary(ヴィガニュアリー)は、イングランド北部に住むジェーン・ランドとマシュー・グローバーによって2014年にスタートした運動です。
それは、1月の1ヶ月間、完全菜食の食生活をやってみましょうという呼びかけでした。
10年前は3,300人だった参加者は、2023年1月には70万人にものぼり、しかも世界中に広まったんです。
ジェーンとマシューのアプローチは、もっと自由に楽しくヴィーガンしようでした。
それが成功の鍵だったのではないかと思います。
個人だけでなく、企業にも影響
ヴィガニュアリーを体験した人の中には、1月が終わってもお肉の消費を減らしたままの食生活を続けたり、または完全にヴィーガンになる人もいました。
そんなトレンドを察知した食品会社やスーパーマーケットが、代替品の開発を始めたのですから、その影響の大きさがうかがえますよね。
第2位:環境問題への関心
イギリスの人間国宝とも言えるデイヴィッド・アッテンボロー。
彼がナレーションをつとめた『Our Planet〜私たちの地球〜』は、気候変動が生き物に与えるインパクトの大きさ中心に据えたドキュメンタリーです。
人間が地球環境に与える影響に重きを置いたこの番組は、なんと全世界の1億世帯で視聴されたのだとか。
人々の環境問題への関心の高さがうかがえますよね。
畜産業が水質汚染や温暖化を加速させているというのは、残念なことにデータに裏付けされた事実です。
環境問題への憂慮からヴィーガンになる人が増えています。
第1位:ストイックなライフスタイルのイメージが払拭された
ヴィガニュアリーが浸透し始めてからだと思うのですが、それまであまり聞かなかった表現を耳にするようになりました。
- フレキシタリアン
- プラントベース
などがそれです。
フレキシタリアンというのは、いわゆる、ゆるヴィーガンです。
普段は菜食主義だけれど、時と場合によってはお肉や魚や卵を食べる。
または、週に1回だけお肉を食べる。
そういった食事のスタイルを持つ人のことを指します。
プラントベースは、ヴィーガンのように蜂蜜やウール製品を避けることまではしないけれども、完全菜食主義のことです。
ちなみに私はほぼプラントベースです。
旅行の時は、卵やチーズを食べることもあります。
私が「ほぼプラントベース」になった2014年には、周囲にそんな人いませんでした。
皆、レーベルにこだわっていた気がします。
ヴィーガンとはこうあるべき!という考えがあったように思います。
ところがヴィガニュアリーが広がったことで、お肉を完全にやめなくても、減らすだけでもいいじゃないか!という風潮が一般的になったと思います。
まずはそこから始めようよ!と、ヴィーガニズムの間口が広がった感じです。
そしてまさにそれが、ヴィーガンが増えた一番の理由だと私は思うのです。
動物福祉も環境問題もとても大事ですが、人間は弱い生き物ですから、皆が皆いつもプリンシプルを持って強く生きていけるわけではないからです。
さいごに
ここまで読んでくださってありがとうございました。
日本でも最近はアーモンドミルクやオーツミルクが一般的になったりしてますよね。
もしヴィーガンライフに興味を持たれた方がいたら、1月でなくても試してみてはいかがでしょうか?
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