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ベトナムにペットを連れて行くには?帰国するときは? 私の体験談 ベスト10

ベトナム

先生の紹介

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海外在住歴23年。アラサーでスウェーデン人男性と結婚してから海外を行ったり来たりしているastro(アストロ)です。これまでにモルディブ、スウェーデン、ドバイ、オマーン、バーレーン、アゼルバイジャン、香港、北京、ソウル、ノルウェー、ベトナムなど10か国以上に滞在、旅行で訪れた国は、アメリカ、カナダ、イギリス、スペイン、ギリシャ、ドイツ、ポルトガル、シンガポールなど。現在は、スウェーデン、ストックホルム滞在。
移住や旅行に役立つ現地情報、国際結婚について書いています。

ベトナムへ引越しが決まったり、移住したいと思っている方の中には、飼っているペットはどうやって連れて行けばいいの?と、疑問や不安に思う方がいるかもしれません。

また、ベトナムから帰国するときはどのような手続きが必要なのでしょうか。

私がそうだったように、実際の準備の仕方や現地情報について詳しく書かれたソースはとても少ないため、頭を抱えて困ってしまうことに。

そこで、私が愛猫とベトナムへ移動した体験談をもとに手順と注意点をわかりやすく解説していますので、予定のある方はぜひ参考にしてみてください。

第10位 ベトナムの輸入条件

まず、海外へペットを持ち込むには、各国の輸入規定を満たす必要があります。

どの国へ輸入するにも、狂犬病予防接種と個体識別が可能なISOタイプのマイクロチップが埋め込まれていることが必須ですが、それ以外にもその他の感染症に対する予防接種やノミ処理、虫下し、血液抗体検査が必要な国もあります。

さらに、入国前に国が発行する輸入許可証を取得しなければならないこともよくあります。

ベトナムの場合

ベトナムの輸入条件を確認する際は、現地の輸入代行業者さんなどに問い合わせるのですが(問い合わせ方は第7位で説明)、①狂犬病予防接種、②マイクロチップの装着、③輸入登録と輸入許可証の3つです。

①と②はあなたが住んでいる国のかかり付けや近くのクリニックで簡単にできますが、予防接種は接種時から3週間は待機期間となるため早めに済ませておきましょう。

③の輸入登録、輸入許可証取得は、次の方法で現地の業者さんに依頼することになります。

第9位 輸入準備①~現地業者による輸入登録

この輸入登録とは、あなたのフライト情報やペットの詳細を記録したものです。

入国後、その登録をもとにあなたの国を出国するときに取った輸出証明書(政府認定の獣医による健康診断書など)と引き換えに、輸入許可証を発行もらうことになります(詳しくは第3位で説明しています)。

輸入登録をするためには、あなたのパスポート、ペットの狂犬病予防接種の記録、フライト情報を現地の業者にメールで送ります。

業者探し

IATAでベトナムのペットシッパーを探してメールで直接問い合わせるか(英語サイト)、SNSなどを利用して見つけることができます。

私は、ホーチミンのタンソンニャット空港を利用予定でしたので、ホーチミンのIATAの業者さんとロコタビというコミュニティを通して現地在住の方から紹介していただいた動物病院の両方に問い合わせてみました。

業者さんが複数ある場合は、各社のサービス内容や料金を比較して納得できる方を選びましょう(私は、メールでの対応がよく料金的にもリーズナブルな佐々木動物病院さんにお願いすることにしました)。

第8位 輸入準備②~フライト選び

もし、あなたのペットが8kg以下であれば、持ち込みができる航空会社を選びましょう(注・8㎏以上は貨物扱いとなるため、手続きは引越し業者に依頼しましょう)。

機内へ持ち込める方法は料金的にとても安く、ペットといっしょに移動できるメリットがあります。

ただし、輸送が禁止されているブリードがあったり、ペットの輸送代金、ペットを入れるキャリーのサイズなども明記されている場合があるので各航空会社のホームサイトのTravelling with Petsというカテゴリーを要チェック。

また、ペットにとって負担の少ない直行便の有無、乗継便ならトランジットが短いもの、フライト所要時間なども検討しましょう。

注意点

ペットを機内に持ち込む場合、①飼い主といっしょに座席に持ち込めるケース、②スーツケースと一緒に預けるケース(ペットは機内と同じ空調、空気圧が整ったコンパートメントでの輸送)があるので、その航空会社がどちらのポリシーを取っているか確認してください。

また、乗り換え便を選ぶ際、乗り換え地(シンガポールや香港など)によってはペットのトランジット許可証がいる場合があります(トランジット許可証に関しては、IATAで乗り換え地での業者に問い合わせすることをおススメします。)

航空会社が異なる乗り換え便の場合(または共同運航)、機内へ持ち込めない事態が発生することがあるので同じ航空会社の乗り継ぎ便を取るようにしましょう。

第7位 輸入準備③~ペットの輸送予約

ペットの予約は、自分のチケットを予約した「後」に行います。

自分のチケットを予約した後、出発する国の航空会社のカスタマーサービスやチケットオフィスなどに電話でペットの予約を入れます(だいたい即時にコンファームされることが多く、輸送料金はチェックインカウンターで当日払い)。

ちなみに、ストックホルムからホーチミンまでの機内持ち込み料金は、トルコ航空利用で3000スウェーデンクローネ(約39000円)でした(貨物輸送の場合は、さらに高額になります)。

なお、予約時にブリード名、ペットを運ぶ際のキャリーバッグのサイズや重量などを申告しますが、キャリーは機内用であれば航空会社が規定しているサイズ通りでなくても問題はありません(もし先述の②のフライトの場合はソフトキャリーではなく、貨物扱いと同じのクレートタイプ)。

持ち込みに関しての規定

飼い主といっしょに機内へ持ち込める場合は、搭乗中はペットはキャリーに入れたまま座席の下に置いておくことが決められています。

また、座席は指定された場所以外は取ることができません(ビジネスクラスやエクストラレッグルーム、非常口付近などは指定不可)が、指定内で事前予約することは可能となります(例えば、非常口以外の窓側の席など)。

ちなみに、②(スーツケース扱い)でのサイズ制限はありませんが、ペットがクレート内で十分動けるスペースが必要です。

第6位 輸入準備④~出発国での輸出証明書

輸出証明書は出国時の提示が必要なだけでなく、目的地での輸入手続きに欠かせない書類です。

一般的には出発の数日前に政府認定の獣医のところで健康診断書を発行してもらうのですが、国によっては最寄りのクリニックで健康診断をしてもらった後、さらに政府認定の獣医師(検疫所)によるエンドースメントが必要な場合もあります。

どんな手順が必要かは近くのクリニック、ペット輸送業者、検疫を扱う政府機関に問いあわせてみましょう(ちなみに大使館では情報を得られないことが多い)。

スウェーデンの場合

私はスウェーデン→ベトナムへ来ましたので、スウェーデンでの取得例をあげたいと思います。

スウェーデンではとても簡単で、出発の数日前に政府認定のクリニックへ行って政府認定獣医師から健康診断書を発行してもらうだけ。

この健康診断書に有効期限を設けている国(例えば、日本)では、取得から〇日以内に出国することができなければ再取得となる場合がありますが、スウェーデンでは有効期限がないの再取得は不要です(ベトナム側でも有効期限はありません)。

第5位 ベトナム入国

フライトが決まったら、フライト日程を業者さんにメールで送ります。

そうすると、業者さんはあなたの到着予定の空港で輸入登録を行ってくれます(通常3日(土日を含まない)ほどかかりますので、業者さんには前もって連絡を取りましょう)。

空港での輸入登録が完了すると、登録内容が書かれた証明書をメールで送ってもらえます(万が一、フライトを変更した場合、再登録が必要になるので要注意。)

輸入許可証

メールで送ってもらった登録証をコピーして携帯し、その空港に入国します。

翌日に、業者さんに出国先が発行した健康証明書(検疫証明書)を渡すと、政府の検疫機関で正式な輸入許可証を申請してその場で発行してもらえます(手続き費用は、3百万ドン、約17000円)。

第4位 輸出(帰国)準備①~帰る国の規定をチェック

さて、ここからは輸出(帰国)の準備です。

帰国といっても、ベトナムからは「輸入」となりますので、例えば、日本へ帰国するなら日本のペット持ち込みに関する条件を農林水産業の公式サイトで確認しましょう。

ベトナムから日本へ帰るには、狂犬病接種の抗体検査や2度目のワクチン接種時から6か月の待機期間がありますので、早い時期から準備を始めなければならないことを覚えておいてください。

スウェーデンへ出国

私の場合はスウェーデンでしたが、スウェーデンではベトナムを狂犬病発生国というカテゴリーにおいていますので抗体検査は必要です。

しかし、スウェーデン発行のEUペットパスポートを持っていたこと、最新のワクチン接種がスウェーデンで行っていたこと、以前の抗体検査後も継続的にワクチン接種をしていたので新たな抗体検査は必要ありませんでした。

※入国時に発行された輸入許可証は出国時に必要という情報がありますが、今回は必要ありませんでした。

第3位 輸出準備②~ベトナムでの出国手続き

帰国条件をクリアしたら、今度はベトナムで行う輸出準備として①ペットの健康証明書の発行、②検疫所からのエンドースメントをもらうことです。

ただし、健康診断からエンドースメント完了まで約2日かかりますので、少し余裕をもって準備しなければなりません。

その他の入国に必要な書式や記入は、佐々木動物病院さんのほうでやってもらえます。

準備スケジュール

帰国のフライトが決まったら、航空会社にペットの予約を入れ佐々木動物病院さんまで連絡をします。

帰国の2,3日まえに佐々木動物病院さんの獣医によるペットの健康診断をしてもらい、その後、病院の方がホーチミンの検疫所まで連れて行って検疫所のエンドースメントを申請してもらいます。

エンドースメントは2日間ほどかかりますが、発行されれば佐々木動物病院さんから輸送してもらえます(費用は、健康診断込みで、42万ドン、約24000円)。

第2位 おすすめの機内用キャリー

機内持ち込み用キャリーはいろいろ販売されていますが、機内持ち込みでは座席のシートに収まるサイズでなくてはいけません。

参考にしたいのは、各航空会社がホームサイトで提示しているサイズ(航空会社によってサイズが多少異なりますが、あまり気にしなくても大丈夫です。)

ウオータープルーフでメッシュ加工、ファスナー付きのソフトバッグ(預ける手荷物扱いの場合はえさや水のボトルが取り付けられるクレートタイプ)、ペットを入れても窮屈過ぎないことがポイントです。

リュックタイプ

私は今回、リュックタイプになったキャリーバッグを使用しました。

リュックタイプであれば両手が空くので手荷物も運びやすく、手荷物を持っての機内の狭い通路も通りやすいというメリットがありました。

また、手荷物用のスーツケースのハンドルに固定できるホルダーもついていましたので、椅子に座ったり、トランジットの際などにスーツケースの上に置くことができ、中でペットが動いてバッグごと落ちるということもありませんでした。

第1位 今回の移動について

今回の移動を経験してみて思ったことは、長距離フライトで乗継便の場合は移動計画をするのが大変なのと、肉体的にもたいへん疲れるということです。

帰国時のフライトは行きと同じトルコ航空だったのですが、実はホーチミンからノルウェー・オスロへ行こうとしたところ、希望する乗り換え便(イスタンブールからオスロ線)に先約のペット連れ乗客がいたため、予約が取れない事態が発生。

乗り換え便の時間をずらす、または目的変更しかなかったので、結局ストックホルムに変更して帰国しました(今までフライト予約が取れなかったことはなかったが、予約が取れないケースもある)。

移動中の世話

ドライフードはジップロックに入れ、水は機内や空港で調達、えさや水を入れる容器は使い捨ての紙コップなど(あとで捨てることができる)を半分くらいに切るとキャリーに入れやすくなります(②の場合では、えさ用の受け皿やペットボトルの水などをクレートのドアに取り付けることができます)。

トイレに関しては、キャリー(もしくはクレート)のなかに吸収力のあるタオルやダイパ―を敷いておき、取り換え用にもう1枚準備しておくといつでも取り換えることができて安心です。

また、猫の場合、少量の砂と段ボールの蓋(なるべくかさばらず軽いもの)、新聞紙1枚を持参すると、到着後すぐに仮設トイレができます(新聞紙は尿を吸収してくれるので砂が少なくても安心です)。

ペットの健康状態は個体にもよるところが大きいと思いますが、飼い主といっしょに移動するのであれば常にチェックすることができますし、トランジットで休憩させることも可能です(空港にはペットの解放場所を設けているところもあります)。

さいごに

このようにペットとの移動は、多くの労力やコスト、ペットへの負担がかかることも事実です。

もし家族や友人の助けが借りられるなら彼らにペットの世話をお願いし、「連れて行かない」という選択もあるかもしれません。

とはいえ、ペットもあなたの大切な家族、いっしょに暮らせることがベスト。

私の経験から言えば、ペットとの移動は考えているより難しいわけではありませんし、事前に情報をよくチェックしてちゃんと準備をしておけば不安も少なくなるものです。

私の体験があなたとペットたちのために役に立ちますように。

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