気にする気にしない?良好な関係もぶち壊す、中国でうっかり人に贈らなくて良かったものベスト8
先生の紹介
- 現在、中国の大連市在住。飯食って10,000歩歩いて(でも痩せない)カフェ行ってパソコン開いて帰ってくる生活。大連で発行されている在中日本人向けのフリーペーパーで連載漫画を描いています。日本では、とある街の観光協会で、某ご当地キャラクター(地元以外あまり知られていない)のデザインや観光情報誌編集のお仕事などで食い繋いできました。
趣味はDTM(初心者)、好きな飲み物「久保田」の千寿、好きな食べ物「じーじゃー(←いつかブログで紹介したい)」
ぱんだこぷんとは「胖(pang=太ったの意)だこぷん」のことです。だこぷんって何。
こんな私ですが、よろしくお願いします。
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Contents
はじめに
文化の違いは、ちょっとした勘違いでもとんでもない誤解を生んでしまうことがあります。
特に、良かれと思ってやった事が、逆に相手に不快な思いをさせたなんて事になったら、自分もとても悲しい気持ちになります。
中国には俗に「七不送」という言葉があって、人に贈ることが禁忌(タブー)とされている7品があります。
7品の中には、現代では普通、それは人に贈らないよね、というものもあるので、それらは除いて、実際に贈るかもしれないものを中心に紹介します。
- お別れしましょう、、、の「梨」
- 死を贈る??「時計」
- 奥さん浮気してますよ、の「帽子」
などなど。
ひえ〜、怖い怖い。
彼氏へのプレゼントや、友人の結婚祝い、姑への誕生祝いが「呪い」となってしまう!!?
このブログは5分程で読み終わるので、最後まで読んでみてくださいね。
第8位 夏が過ぎたらさようなら「扇子」
扇子は一般的に「七不送」には含まれていません。
それは、多分元々は「友情の証」として扇を贈る文化もあったからでしょうか。
また、伝統的な結婚式では、花嫁が扇子で顔を隠したまま会場に入り、新郎の前でやっと顔を見せるという儀式もあり、むしろおめでたい品の一つともされたそう。
でも、扇子を人に贈ることを禁忌(タブー)と考える説もあります。
扇子は夏だけ?
と言うのは、扇子は基本的に季節限定で使うもの。
暑い時期には重宝されるけど、涼しくなったらポイっと用無しにされてしまうから、恋人に贈る品としては適さないと言われます。
猛暑の夏、あんなに必要とされたのに、、、!
発音も良くない?
また、扇は「shan」と発音し、散「san」と響きが似ていると言うことで、離散をイメージさせるといいます。
でも、別の説では、善「shan」と同じ発音だから、むしろ縁起が良いと言う人も。
縁起が良い説と悪い説の両方があるので、とりあえず8位に入れました。
第7位 招き猫も?財を招く「招財神」
中国でもチラホラ売られているのを見かける日本の「招き猫」。
中国では「招財猫」と言います。
元々、遣唐使の時代に、ネズミ退治のために船に乗って中国からやって来た猫が、片手を上げて財を招く招き猫となってお里帰り。
日本と同様に猫を可愛がる人は多く、マスコット風の日本の招き猫の置き物は人気があります。
友達がお店を開いた時などに、可愛い招き猫の置き物をお祝いにプレゼントする、なんてことも普通にありそうです。
でも、招財の神様を人に贈ることは、好ましくないと考えられています。
自分の財運を譲る事になる
招財神を贈ると、自分の持っている財運も贈ってしまう事になるそう。
中国には「五路財神」と呼ばれる財運の神様たちがおられ、その中の関羽は『三国志』に登場する武将で、日本でもよく知られています。
中国では商店やレストラン、ホテルなどの入り口にドーンと大きな関羽像が置かれているのを見かけます。
でも、そういった神像や絵、お守りなどは、贈るものではなく、自分でお参りしてお迎えするものだ、と言う事だそうです。
じゃあ、何を送れば良いの?
開業祝いには、日本ではスタンド花が店頭に並びますが、中国ではスタンド「稲穂」がずらりと並びます。
赤い包装紙で包まれた黄金色の稲穂は、立派で縁起がよいですね。
第6位 「緑の帽子」は不貞の象徴
キャップでも、ニット帽でも、帽子をカッコよく被れる人が羨ましいです。
帽子って、センスの良し悪しがよくわかります。
プレゼントとして選ぶのは難しいけれど、大きさやお値段は割とお手頃な感じです。
でも、帽子を人に贈る時も、ちょっと注意が必要です。
民間信仰で、帽子は頭を押さえつけるものになるので、贈り物には適さないと言う人も。
白い帽子もNG
一部地域では、死者を送る時に家族が白い帽子を被ります。
その風習もあって、白い帽子は「死」を連想させるので贈ることを憚(はばか)るそう。
緑の帽子は要注意
さらに、中華圏の人がよく知っている「緑帽子」。
それは、既婚女性の「不貞(浮気)」を意味するそうです。
緑色がタブーとなった歴史は古く、唐の時代の書物に、「緑の巾(布)を巻いて辱める」と言う刑罰があったとか。
元の時代には、「緑頭巾」は「妓女」の家族と法律に定められたそう。
どういう理由で「緑」なのかは深く調べなければわかりませんが、そんな話を聞いたら、どんなにセンスの良い帽子でも、ちょっと躊躇します。
仲の良い友達夫婦に緑の帽子をプレゼント、これは、この話を知っている人を疑心暗鬼にさせてしまうかもしれませんね。
この前「緑帽子」という名前をつけた抹茶クリームをトッピングしたドリンクが売られているのを見ました。
知っているのか知らないのか、あえてその名前なのかわかりませんが、ちょっと買うのを躊躇しちゃいましたよ(笑)。
第5位 「財布」ってダメなの?
彼氏や友達へのプレゼントのド定番のお財布。
ていうか、自分へのプレゼントに高級ブランドのお財布、欲しいです!
でも、中国ではお財布を贈ることは「七不送」に入る禁忌です。
誰かにお財布をプレゼントする時は、たいてい新品を贈りますよね?
と言うことは中身が空っぽと言うことです。
その、空っぽの財布というのが良くないらしく、財運が逃げるとして忌み嫌われます。
回避策もあるけれど、、、
空っぽを避けるために、中に小銭か縁起の良いものを入れて渡せば良いとも言われるそうですが、それはそれで、「中古品」と見なされて、やっぱり好ましくないという人も。
また、招財神の理由と同様に、財布を贈ると自分の財運も渡してしまうとも考えられています。
本当は大切な人に贈っていた
実は、情を交わした相手に刺繍をした財布(銭包)を贈るという行為は、中国の風習としてちゃんとありました。
中国ドラマを見ていたら、皇帝に使える宦官が、貴妃に使える女官からもらった刺繍入りの銭包をうっかり人前で落として、大問題となる、というシーンがありました。
財布を贈る行為は、「財産も含めて全てを捧げる覚悟」の証。
本当に添い遂げたい相手にその想いを贈るということなのです。
だから、夫婦間や家族に財布をプレゼントすることは、全く問題ないという人もいます。
夫婦だけど、それぞれ経済的に独立していて会計も別、という人には、、、?
ちなみに、現在の中国ではほぼスマホでのキャッシュレス決済なので、ほとんどの人がお財布は持ちません。
だから、お財布をプレゼントする人も、もうあまりいないかも、、、。
第4位 「傘」は雨や日照りを防いでくれるはずなのに
中国のタブーは、言葉の「発音」に起因することが多いです。
傘はsan(サン)と読み、「散」sanと同じ発音となることから、贈り物に敬遠されます。
「散」は日本語と同じで、散る、バラバラになる、などの意味で、親しい人に贈るには縁起が悪いというのです。
「喜不送傘」という言葉もある
結婚式などの特別におめでたい時に、あえて「散san」を贈るというのは、やっぱり相手に誤解を与えてしまうかも。
「喜」は婚姻を意味しますが、その日に傘を贈ることは、非礼かつ不吉と思われます。
日本で結婚祝儀の水引は「結び切り(ほどけない)」と決まっていますが、それを「蝶結び(ほどけてしまう)」の祝儀袋で贈ると、「無知」なのか「悪意」なのかと真意を疑われますが、イメージとしては同じ感じでしょうか。
本来は傘は雨や直射日光から相手を守るアイテムです。
相手を思いやって雨の日に傘を貸す、あるいは渡してしまうという行為は、全く受け入れられない訳ではありません。
突然の雨で傘がない時に、貸してくれる人がいたら、嬉しいし有難いです。
傘のタブーは、状況にもよるという事です。
第3位 「靴」を贈ってはいけない理由はいろいろ
若い男性に誕生日プレゼントは何がいい?と尋ねたら、割と結構な確率で「スニーカー」という答え。
金額的にもピンキリですが、一定の人気プレゼントアイテムです。
でも、中国では、親しい人に靴を贈ることは「七不送」にも入る禁忌です。
理由はいくつかあります。
・発音が悪い
・靴を履くと相手を走らせるから
・「破鞋」は売春婦を意味する
・「穿小鞋」という言葉があって、上司など権力を持つ者への批判となる
「鞋(くつ)」はxie(シエ)と発音し、「邪」xieと同じです。そのため、靴は「邪気」を運んでくると言われ、人に贈るのは縁起が悪いと言います。
また、靴は履けば履くほど遠くへ行くとして、恋人に贈ると別れてしまうと言われます。
夫に贈ると、家に帰らず外にばかり行ってしまうとも。
女性に贈る時も注意が必要
「破鞋」という言葉があって、不貞を働く女性の隠語とされています。
昔、身体を売っていた女性が、部屋の門に刺繍入りの鞋を置いていて、それが風化し破れた鞋になっていたからだとか。
破れた靴を人に贈ることはまずないと思いますが、古い靴、例えばビンテージものを女性に贈るのには、ちょっと注意が必要です。
職場の上司にもオススメできません
「穿小鞋」という言葉は、力のあるものが画策して下のものを陥れるという寓話からきているそう。
職場の上司に鞋を贈ると、何か不満がある、または批判したいという意味にも捉えられるのだとか?
回避策として
カップルの場合、靴を贈られたらお返しに靴を贈ればよいそうです。
「往来する」「行き来する」という意味に転換出来るそうです。
また、贈られたらお返しに1元(約20円)を渡すという事も。
「貰った」のではなく、「買った」という形にすり替えるのだとか。
タブーの理由がたくさんある割に、抜け道もちゃんと用意されているんですね。
今の若い人は、あまりこの手の話は気にせず、かっこいいスニーカーや可愛い靴をプレゼントに希望するようです。
第2位 お前はもう死んでいる「時計」
時計もよくプレゼントに欲しいもの、または贈りたいもののランキング上位に入っています。
でも、内容が内容だけに、誤解されたら笑えないのが、この時計。
時を刻む時計を贈るということは、「あなたの人生の残り時間はこれだけですよ」という意味になるのだとか。
つまり、「死」を贈るという訳です、、、。
怖すぎる〜。
健康維持のためにスマートウォッチをプレゼント?
特に高齢者の誕生日に時計を贈ると、早く死んでほしい!!?なんて意味にもなってしまうんだって。
文化の違いって怖い
実際にあった話ですが、、、
自分の結婚式に中国の知人(年配の)がわざわざ来てくれたので、日本らしいお土産を渡そうと選んだのが、富士山の螺鈿細工が入った漆塗りの置き時計。
後から時計のタブーを聞いて真っ青。
話には続きがあって、
その中国の人が結婚祝いに包んでくれたのが2万円でした。
日本では、割れる数字は「別れる」に通じるので結婚祝いにはタブーですが、中国ではむしろ縁起が良い数字です。
死の時計を贈って、別れの2万を貰った。
という、本当にあった笑えるようで笑えない話。
だけどそれは、お互いに相手を思ってやった事。
良好な関係と、相互理解があったから、今は笑い話として話せますが、もし、誤解されたりしていたら、その後の関係はさぞ、ひんやりしていた事でしょう、、、。
第1位 別れが待っている「梨」
これも発音が同じという事で、敬遠されるもの。
「梨」。
「梨」はli(り)と発音し、「離」li(り)と同じなので、別れを予見させるものと言われています。
贈り物としては、病院のお見舞いには特に不適切です。
病気の人に「お別れです」なんて意味にとられたら、ちょっとシャレにならないでしょう。
梨は身体を冷やすから、病人には食べさせない方が良いから、梨はダメという人もいます。
「秋茄子は嫁に食わすな」と一緒?
2人で食べてはいけない
そして、この梨が厄介なのが、2人で1個の梨を分けて食べてはいけないとも言われていること。
離れ離れになってしまうのだとか。
この話を聞いてから、筆者は一切梨を食べなくなりました(←めっちゃ気にしてるやん)。
回避策として
3人以上で食べたら大丈夫なのだとか?
または、2人の時は1切れだけ捨てて(うぅ、もったいない)、3人いる形をとるのだそう。
ちなみに、筆者はめちゃくちゃ気にして20年近く梨を食べずに来ましたが、同様の理由で「スモモ」もタブーという説も?
スモモ=李は発音が「li」です。
いやいや、めっちゃ食べてますし〜。
さいごに
ちなみに、中国の「七不送」は、通常、「時計、靴、傘、梨、財布、水槽、刀剣」の7品が挙げられますが、他に「枕、杯(コップ)、石」などが贈ってはいけないと言われることがあります。
探せば多分もっと色々な禁忌(タブー)があるでしょう。
気にする、気にしないは個人の自由。
ただ、贈り物の場合は、贈る相手がいることも忘れずに。
自分が気にしないことを、相手も気にしないかどうかはわかりません。
特に言葉が通じない異国の地では、誤解を解くのも困難です。
お互いの関係性や、意思疎通を確認し、相手の気持ちを思いやって、慎重にプレゼントを選びましょう。
せっかく贈るなら、最大限相手を喜ばせたいですからね。
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